『愛らしいタコ宇宙人の物語が、なぜこんなに心を揺さぶるのか?』
今回は「タコピーの原罪」完全解説で涙腺崩壊必至の話題作のネタバレを紹介します。
キュートなタコ型エイリアンが主人公なのに、読み終えると胸の奥がキューッと苦しくなる…。
そんな不思議な読後感を与えてくれる「タコピーの原罪」の全貌を、時系列の解説も含めて最終回まで詳しくネタバレして解き明かしていきましょう♪
タイザン5先生が手がけた短編マンガで、2021年から翌年にかけて少年ジャンプ+で公開されていた作品ですね。
わずか16エピソードという短さにも関わらず、読者の心に強烈なインパクトを残した話題作なんです。
外見の愛くるしさとは正反対に、現代の社会問題を鋭く切り込んだ内容が特徴。
学校でのいじめや家族間の問題など、子どもたちが実際に経験する辛い現実を容赦なく描写しており、時として読者の心を重くさせることも、、、
それでも、人と人との絆や相互理解の尊さも同時に表現されているんです!
ストーリーの時系列が入り組んでいて混乱しやすいという声も多いので、今回は流れを整理してお届けします!
この記事では「タコピーの原罪」のエンディングまで、全エピソードの内容を時間軸も交えて最終回まで徹底的に結末ネタバレを解説しています。

結末を知りたくない方は要注意です。
『タコピーの原罪』漫画ネタバレ全話!
短編作品でありながら、16のエピソードには驚くほど濃密な内容が詰め込まれています。
見た目の可愛さからは想像もつかないほど、現代社会の暗部を鋭く描き出した衝撃作となっているのが特徴です。
各エピソードでは、主人公タコピーと彼が関わる小学生たちの入り組んだ人間模様が展開されます。
タコピーは純真で思いやりに満ちた性格ですが、人間の微妙な心理については理解が追いつきません。
そのため、善意で行った行為が思わぬ悲劇を引き起こしてしまうのです。
ストーリー展開は読者の期待を次々と裏切り、最終回まで目が離せない構成になっています。
タコピーの原罪ネタバレ1話
空腹に苦しむタコピーが地球に降り立つシーンから、この壮大な物語は始まります。
タコピーはハッピー星という遠い惑星の出身で、地球の住民を幸福にするという神聖な任務を帯びていました。
そんな彼に心優しくパンを分けてくれたのが、小学4年生の久世しずかという少女だったのです。
しずかの思いやり深い行為に心を動かされたタコピーは、彼女を幸せにしてあげたいと強く願いました。
ところが実際のしずかは、学校で雲母坂まりなから過酷ないじめを受けている状況でした。
人間の複雑な感情を理解できないタコピーは、これを単純な「友達同士のいざこざ」としか認識できません。
タコピーの無垢な判断と、しずかが直面している深刻な現実との落差が、読者に強烈な印象を植え付ける第1話となっています。
タコピーの原罪ネタバレ2話
しずかとまりなの関係を修復させるため、タコピーは「仲直りリボン」という特別なアイテムを提供しました。
本来であれば友人関係を改善するための道具だったのです。
ところが、絶望の深淵にあったしずかは、そのリボンを予想外の目的に使おうとしてしまいます。
彼女は首にリボンを巻きつけて、自らの人生に終止符を打とうとしたのです!
タコピーは初めて人間の「死」という深刻な概念に直面することになりました。
自分が差し出した道具で大切な友人が命を失おうとしたことに、タコピーは激しい動揺を隠せません。
この衝撃的な出来事により、物語は一気に暗いトーンへと転換していくのです。
タコピーの原罪ネタバレ3話
しずかが自分の命を絶つという痛ましい決断を下してしまったことを激しく悔やんだタコピーは、ハッピーカメラという神秘的な道具を使って時の流れを逆行させます。
これが作品における最初のタイムワープでした。
時を遡らせたタコピーは、しずかが死を選んだ真の理由を知ることになります。
それは、彼女の大切な相棒犬チャッピーがまりなに噛みついてしまい、動物管理センターに引き取られることになったからでした。
チャッピーは、しずかにとって過酷な現実から逃避できる唯一の心の拠り所だったのです。
そのチャッピーを失うことへの絶望感から、しずかは死という選択を考えてしまったのでした。
今度こそしずかを救い出してみせると、タコピーはチャッピーを護るための活動を開始することを誓います。
タコピーの原罪ネタバレ4話
まりながしずかを苦しめることをストップさせようと、タコピーは行動を開始します。
しかし、人間の感情を理解できない彼は、あまりにも危険な手段を選んでしまいました。
手持ちのハッピーカメラでまりなの頭部を殴打してしまったのです。その結果、彼女は息を引き取ってしまいます。
信じられないことに、しずかはタコピーに向かって「排除してくれてありがとう」という感謝の言葉を述べました。
そして、まりなの亡骸を隠蔽するために、同級生の東直樹を事件に巻き込むことになってしまいます。
この事件を境に、タコピー、しずか、東の3名による異様で複雑な共同生活が幕を開けることになりました。
タコピーの原罪ネタバレ5話
まりなの遺体が発見され、当局による本格的な調査が開始されます。
真相を知る東は、罪悪感に押し潰されそうになりながらも、しずかの信頼に応えようと自分を限界まで追い詰めていきます。
東には、才能あふれる兄・潤也に対する根深いコンプレックスがありました。
常に兄と対比されて、母親からは過剰な期待を背負わされている日々でした。
そんな東にとって、しずかから信頼されることは、人生で初めて体験する特別な感覚だったのです。
しかし、それが彼をさらなる苦境へと導く結果となってしまいます。
事件による重圧と家庭内の問題が重なり合い、東の精神状態は危険水域に達していきました。
タコピーの原罪ネタバレ6話
まりながどのような環境で生活しているのかを探るため、タコピーは彼女の外見をコピーして住居に潜入します。
そこで遭遇したのは、両親による壮絶な口論の現場でした。
まりなの家庭では、父親と母親が連日のように激しい言い争いを展開していました。
そして、精神的に追い詰められた母親は、まりなに対して病的な依存関係を構築していたのです。
ところが、特徴的な口癖「ッピ」を修正することができなかったため、母親はタコピーが本物の娘でないことを見抜いてしまいます。
この経験を通して、タコピーは初めて、まりながいじめ行為に走った根底にある深刻な孤独感と精神的苦痛を理解することができました。
タコピーの原罪ネタバレ7話
罪の意識に耐えられなくなった東は、自分から罪を告白することを決意します。
しかし、兄の潤也に説得され、自分が完全に孤立しているわけではないことを認識しました。
それでも東は自首の道を選択し、一方しずかはタコピーと共に東京にいる父親を訪ねることになります。
長い間会えなかった父親との再会を心待ちにしていたしずかでしたが、現実は残酷でした。
父親はしずかが自分の娘であることを認識していながら、他人のふりをして彼女を無情に突き放してしまいます。
さらに、しずかの心の支柱だったチャッピーの姿も、そこには存在していませんでした。
両親から完全に見捨てられたしずかの絶望は、これまでをはるかに上回る深刻なものとなってしまったのです。
タコピーの原罪ネタバレ8話
父親からも拒絶されたしずかは、完全に希望を見失ってしまいます。
彼女はタコピーに対して、報復に活用できるハッピー道具を要求するようになりました。
しずかは、父親の新たな家族、特にチャッピーを害したかもしれない子どもたちに対する復讐を切望したのです。
一方でタコピーは、以前まりなが口にしたしずかを否定する発言を回想していました。
あらゆる問題を根源から解決するため、タコピーは究極の判断を下しました。
それは、宇宙船に乗って過去へ向かい、小学4年生時代のしずかを抹殺するというものでした。
善意から発生した、最も悲劇的な決断だったのです。
タコピーの原罪ネタバレ9話
タコピーの出身地であるハッピー星から、「ママ」と称される規律の化身が出現しました。
ママはタコピーに対して、人間の運命に無許可で介入した罪状を厳格に問い詰めます。
制裁として、タコピーの記憶を完全に抹消し、誕生時の状態に戻して、永久にハッピー星への帰還を禁止するという判決が言い渡されました。
しかし、記憶を消去しようとする過程で、タコピーの状態に異変が生じ、6年前の地球へタイムワープしてしまいます。
この過程で、タコピーは段階的に貴重な記憶を失っていくことになりました。
記憶を失いながらも、タコピーには何か重要な約束事があったような感覚が残り続けていたのです。
タコピーの原罪ネタバレ10話
6年前の地球に到着したタコピーに、驚愕の真実が露呈します!
実際のところ、タコピーが最初に遭遇したのは、しずかではなくまりなだったのです。
過去の邂逅が、しずかに対するいじめの根源と密接に関連していることが明らかになりました。
この発見により、物語全体の見方が劇的に変化することになります。
いじめの実行者と被害者が、実際には同様の心の傷を抱えた存在だったということが判明したのです。
運命の偶然性と、人間関係の奥深さが鮮明に浮かび上がる決定的な場面でした。
タコピーの原罪ネタバレ11話
記憶のほとんどを失ったタコピーですが、約束の地点でしずかを辛抱強く待ち続けます。
ついに姿を現したしずかでしたが、彼女の態度は予想を完全に覆すものでした。
しずかはタコピーを足で踏みにじり、自分の不遇な人生を嘆きながら「どうすればよかったのか」と激情的に叫びました。
それでもタコピーは謝罪を続け、彼女の傍にいることを選択します。
記憶を喪失しても、大切な存在を思いやる気持ちだけはしっかりと心に刻まれていたのです
場面は、記憶や論理を越えた、純粋な愛情の力を表現した極めて感動的なシーンとなっています。
タコピーの原罪ネタバレ12話
しずかの笑顔を目にすることができず、完全に打ちのめされたタコピーは最終的な選択を行います。
自分自身の「ハッピー力」を余すことなく投じて、タイムワープを敢行することにしたのです。
この究極の自己献身により、しずかはタコピーに関する記憶を完全に失い、物語の原点である2016年へ戻ることになりました。
このタイムワープは、自分の存在を犠牲にしてでも、愛する友人を救済しようとする愛情に満ちた行為でした。
しかし、この選択により、タコピー自身の存在は不確定なものとなってしまいます。
タコピーの原罪ネタバレ13話
命を賭けたタイムワープにより、彼が存在しない2016年の世界が新しく形成されます。
この新世界でも、しずかとまりなのいじめ関係は依然として継続していました。
しかし、タコピーが残した「記憶の残響」や「精神的遺産」が、登場人物たちの心に微細な影響を及ぼし続けているのです。
完全にリセットされたのではなく、タコピーの存在が遺した何らかの力が、徐々に状況を変化させ始めています。
この変化は微小なものでしたが、間違いなく登場人物たちの心に到達していたのでした。
タコピーの原罪ネタバレ14話
新たな時間軸で、まりなはしずかが描いたタコピーのイラストを目にして、理由もなく心を奪われます。
また、これまで言えなかった自分の母親に対する正直な気持ちを、友人に打ち明けるようになっていました。
東にも変化の兆しが現れ始めます。
兄の潤也との関係が改善され、クラスメイトとの会話のきっかけを見つけるなど、孤独感から徐々に解放されつつありました。
タコピーの直接的な記憶は消失しましたが、彼が残した「対話」の価値という精神が、少しずつ登場人物たちに浸透しているのです。
これらの小さな変化が、やがて大きな変革へと発展していくことになります。
タコピーの原罪ネタバレ15話
しずかとまりなは、互いの家庭環境や悩み事を率直に語り合うようになりました。
一緒に買い物に出かけたり、共に感情を吐露したりと、これまでとは180度異なる関係性を構築し始めたのです。
タコピーが心の底から望んだ「対話がハッピーを生み出すんだッピ」というメッセージが、二人の間にしっかりと根付いているのです。
相互の理解と共感が開花することで、いじめの関係から真の友情関係へと昇華していきました。
この変化は、タコピーが自己犠牲を払ってでも伝達したかった、最も核心的なメッセージの具現化だったのです。
『タコピーの原罪』漫画ネタバレ最終回結末(16話)
物語の頂点となるフィナーレは、読者に深い感銘と多角的な考察の材料を提供する結末となっています。
タコピーの犠牲が創造した新世界で、登場人物たちがいかなる人生を歩んでいくのかが丁寧に描写されているのです。
奇跡的な解決手段ではなく、人間同士のつながりこそが真の救済であることが示されました。
フィナーレでは、魔法的な完全解決ではなく、現実と正面から向き合いながら歩み続ける力が描かれています。
タコピーの原罪ネタバレ最終回結末①永遠の絆
フィナーレでは、しずかとまりなが高校生年代になってからも、互いを深く理解し合って日々を過ごしている様子が描かれています!
二人は依然として家庭の困難を抱えながらも、共にその試練を乗り越えようと互いを支え合っていました。
これまでのような加害者と被害者という構図ではなく、互いの痛みを理解し合う真の友人となったのです。
まりなはもはやしずかを苦しめることはなく、二人は相互に支援し合って生きています。
この変化こそが、タコピーが最も熱望していた「ハッピー」な結果だったのでしょう。
外部からの干渉ではなく、二人が自らの力で創り上げた関係性だからこそ、本質的な意味で価値のあるものとなっているのです。
タコピーの原罪ネタバレ最終回結末②タコピーの運命
タコピーは「バイバイ」という言葉のみを残して、完全に消失してしまいました。
彼の存在は記憶からも現実からも完全に消去され、あたかも最初から存在しなかったかのようになってしまったのです。
しかし、読者の中には、タコピーがチャッピーの一部として生まれ変わったという解釈も存在しています。
完全に消失したのではなく、異なる形態で愛する人たちを見守り続けているのかもしれませんね。
タコピーの運命は悲しいものでしたが、彼の願望は確実に成就されました。自分の存在を代償にしてでも、友人の幸福を祈った純粋な愛が、最終的に結実したのです。
タコピーの原罪ネタバレ最終回結末③現実的なハッピーエンド
この結末は、「現実を完全に受け入れた上で前進する希望に満ちたエンディング」として評価されています。
登場人物たちの家庭状況が根本的に改善されたわけではありません。
それでも、しずかとまりなが「独りぼっちではない」と実感し、共に歩む道を選択したことに、物語の希望が込められているのです。
完璧な解決ではなく、現実的で大人びた形の幸福が描写されています。
困難が存在しても、誰かと一緒であれば克服できるという、心温まるメッセージが込められていると思います。
『タコピーの原罪』時系列をわかりやすく簡単にご紹介!
「タコピーの原罪」は複数回のタイムワープが発生するため、時間軸の把握が困難になっています。
物語をより深く味わうために、ここで時の流れを明確に整理してご案内しましょう!
原初の時間軸(2016年)
- タコピーが地球に降臨し、しずかと邂逅
- まりなによる迫害行為、チャッピーの動物管理センター送致
- しずかが仲直りリボンで自殺を企図
初回タイムワープ後
- タコピーがハッピーカメラで時間を逆行
- まりな殺害事件が発生
- 東を巻き込んだ証拠隠滅工作
6年前(2010年)の秘密
- タコピーが最初に邂逅したのはまりなだったことが発覚
- この出会いが後の人間関係に決定的な影響を与えていた
最終タイムワープ
- タコピーが自己犠牲でハッピー力を完全消費
- タコピーが存在しない2016年の世界を新規創造
- 登場人物の記憶からタコピーの存在が完全除去
新時間軸(2016年以降)
- タコピーの記憶は消失しているが、「対話」の重要性が残存
- しずかとまりなが相互理解を深めるようになる
- 高校生時代まで友情が持続
この入り組んだ時間軸を通して、単純な過去改変では問題は解決せず、人間同士のコミュニケーションこそが最も重要だというメッセージが伝達されています。
タコピーの介入は一時的には状況を悪化させましたが、最終的には登場人物たちに重要な洞察を与える結果となりました。
『タコピーの原罪』を読んだ感想
「タコピーの原罪」は、外見の愛らしさと内容の重厚性のコントラストに、最初は困惑を感じる作品です。
しかし、読み進めるにつれて、その深遠なメッセージ性に心を強く揺さぶられることでしょう。
この作品の最も特筆すべき点は、絶対的な悪役が登場しないという描写手法にあります。
いじめの実行者であるまりなも、実際は家庭で苦痛を味わっている被害者でした。
東も模範生という表面の下に、深刻な孤独感を秘めていたのです。
現代社会の課題を子どもの視点から描写することで、大人の無関心や社会構造の歪みが鮮明に浮かび上がっています。
タコピーの純真さが、逆に人間社会の複雑性を際立たせる効果がると思いました。
また、「対話」の重要性というテーマは、現代のコミュニケーション不足社会に対する重要な警鐘でもあります。
表面的な解決ではなく、真の相互理解こそが人を救済するのだという教訓は、多くの読者に深い感銘を与えているのです。
読後感は決して爽快なものではありませんが、心に深く刻まれる印象と、人間関係について熟考させられる作品となっています。
短期間の連載にも関わらず、これほど多くの人々に影響を与えた作品は稀有でしょう。
まとめ
「タコピーの原罪」は、愛らしい外見に隠蔽された現代社会の深刻な問題を描いた、前例のない傑作でした。
フィナーレまで時間軸も交えてネタバレを徹底解説させていただきましたが、お楽しみいただけましたでしょうか?
全16エピソードという短編の中に、いじめ、虐待、育児放棄などの重厚なテーマが凝縮されており、読者に強烈な衝撃を与えています。
タコピーの純真な善意が悲劇を招くという皮肉な展開は、「善意のみでは問題は解決しない」という現実を私たちに提示しました。
しかし、最終的には「対話」という人間同士のコミュニケーションの価値が、希望の灯火として美しく描写されています!
登場人物たちが完璧な解決を獲得したわけではありませんが、互いを理解し合い、支え合って歩む道を選択したことに、真の「ハッピーエンド」が存在すると感じられる作品でした。
この作品は、現代を生きる私たちに対して、人間関係のあり方や、困難に直面した時の心構えについて深く思索させてくれる、極めて貴重な作品だったといえるでしょう。
以上、「タコピーの原罪」の時間軸も含めたフィナーレネタバレ解説でした♪