幾久子が人生をやり直す為に奮闘する『転生の花嫁と隻腕の旦那さま~今世こそは授かります~』の内容、かなり気になりますよね。
本作はめちゃコミックの自社ブランドのcomic fizzyの作品として独身配信されていました。
未来を知っている幾久子の立ち回りもカヨのに天罰が下るか最終回結末も気になるところだと思います。
しかし全話読む前に先のあらすじが分からないと続きを購入するかと悩んでいてネタバレも気になる方もいらっしゃると思うのです。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』の最終回で明かされる結末で菱川夫婦はどうなるのか、義母やカヨには天罰が下るか、ネタバレ全話を一緒に見て行きましょう。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』ネタバレあらすじ全話

『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』ネタバレ1〜5話
藤堂家の長女・幾久子は家の困窮にかられ、菱川家に嫁ぎました。
彼女が生んだ跡継ぎが死産し、旦那・秀顕とも気持ちが通わずじまいで代わりに妾になったカヨに押し出される形で地位を完全に無くしてしまいます。
途方に暮れた幾久子は秀顕が実は自分を気遣って距離を置いてくれたと気付き、本当は優しかった彼とやり直したいと思い途方に暮れていた所を何者かに突き飛ばされ、寺の階段から落ちて絶命するのであった。
後悔の中で意識を手放した幾久子だったが、気づけば彼女は実家の部屋で目ざまます。
戸惑いながらも彼女は結婚前夜まで意識が戻っていると気付き、今度こそ旦那とやり直したいと決意を固めるのであった。

悲しいすれ違いで始まる本作ですが、幾久子はやり直しに前向きなので期待できそうですね!
結婚式当日に幾久子は初めて旦那となる秀顕と対面する流れがあり、そこで初めて彼が戦争で左腕を上腕から切除する大けがを負っている事を知ります。
しかし既に一度彼と結婚生活を経て、確かな愛情を確かめていた幾久子は思わず喜びの涙を流すのでした。
周りからは怖いのだろうと勘違いされますが、その夜に秀顕とは誤解が解け、本当に愛し合う夫婦としてスタートラインを切ります。
夫婦仲は上手く行っていながら、周りのカヨや義母からは既に妨害の予兆を幾久子は感じる事になるのでした。
悲しいながらも、洋風の結婚指輪をプレゼントしてくれる秀顕の想いを胸に幾久子は気丈に振る舞います。
そんな中、幾久子は秀顕の同伴として海外の商会が主催するクリスマスパーティーに出席する事になりました。
義母には嫌味を言われたが、秀顕は同伴もまた妻の務めだと母の言葉を一蹴します。
当日は挨拶を秀顕に手伝ってもらえないとできなかった事を恥じつつも、隻腕の彼に向けられる怪訝そうな視線を感じ妻としての責務を果たさなければと幾久子は思いを馳せました。
そんな所に商会の者と思われる外国人の男性が幾久子に声を掛けます。
最初はナンパをしようとしていた彼は結婚指輪を目にし更に態度が悪くなり、幾久子は身の危険を感じ...



幾久子は前世では連れて行かれなかったクリスマスパーティーへの同伴で早速ピンチに!
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』ネタバレ6〜10話
言い寄ってくる男性は秀顕によって直ぐにおっぱられます。
外国人の商会役員は経緯を知って謝罪をしていたので、あの男性はもう職を追われるかもしれません。
言語が分からず怯える事しかできなかった幾久子が自己嫌悪に沈んでいたところ、秀顕は踊りに誘います。
戸惑う幾久子に秀顕は彼女の右手は肩に置くので問題ないと語り、二人は周りの来賓も息をのむ程美しいワルツを踊るのでした。
前世では幾久子が言語の壁や自分の隻腕の状態によって嫌な気持ちになるだろうと同伴に消極的だった秀顕だったが、今世は彼は既に愛情が深くなっており、何かあれば自分が守ると覚悟を決めていると彼女に決意を伝えます。
一つ不安要素が取り除かれて安心した幾久子と秀顕はその夜ついに体を重ねるのだった。



幸せな思い出が出来て愛を確かめ合った二人ですが、そこに怪しい影が迫っていました。
三ヵ月経っても身籠った前兆の無い幾久子にイライラしていた義母は毎晩二人の寝室の前で立ち聞きをしていました。
彼女は今夜はやっと体を重ねた事で安心する事は無く、未亡人となってしまった自分では家を建て直せないと感じた事と、一度は養子に出した秀顕を頼るしかない自分に焦りを感じて未だに必死に策を巡らせていたのです。
妾を作らせようとも考えていた彼女の前にカヨが現れ、二人は何か話し合いました。
次の日、よそよそしい義母と彼女の様子を事細やかに報告してくるカヨの様子に幾久子は誰を信じていいのか悩みます。
気を取り直し秀顕と同伴し取引先への挨拶回りに出かけた幾久子の前に、忘れていた幼馴染・岸本陽彦が現れました。
彼は幼い頃に結婚すると約束した話を旦那の前で出すなど、失礼な行動を繰り返します。
秀顕は嫉妬し不安になるが、その不安を口にしてくれたおかげで幾久子は彼の事は完全に忘れていて、秀顕の事しか愛していないと励ますことができ、二人の関係はよいままで続きました。



秀顕は不安をすぐ伝えてくれますが、幾久子は不安な事を既に抱え込む傾向がみられるのですれ違いが起きないかが心配ですね。
しかし、密かに幾久子を追い出す計画を企てていたカヨは幾久子が書いたと偽った文を陽彦に巧妙にわたらせました。
自分にも幾久子とのチャンスがあると思い、幾久子の妹との縁談話をでっち上げる事で菱川家に通う口実を作り、夫婦どちらにも揺さぶりをかける陽彦だったが、二人の絆は強固で彼もあの文は何だったかと戸惑いを見せ始めます。
そこでカヨは姑息なアシストをし、菱川家の離れに陽彦と幾久子が二人きりになるように送り込み...



普通ならどう見ても幾久子が陽彦に襲われているように見えますが、菱川家は秀顕以外はほぼ敵の様なので、かなり心配です。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』ネタバレ11話~15話
離れでの状況が発見され、味方が少ない幾久子は窮地に陥ります。
陽彦はやはり、カヨが書いた文を信じており、幾久子は駆け落ちしたいのだと思い込んでいました。
その事を証言され、やはり味方が少ない菱川家では幾久子を信じて彼女の発言を受け入れてくれる者は中々現れません。
カヨに至っては自分が実際に陽彦に渡るように仕向けたのをいい事に、自分は文を内密に届けるように命令されたとまで供述するのです。
状況を完全に把握していた彼女の証言は、とても崩しがたいものでした。
しかし、菱川家の後継ぎである秀顕が到着し、幾久子の弁護をしてくれたことで、何とか九死に一生を得ます。
カヨはしおらしく自害を図る振りをするが、まだ倒し切れていないような動きを見せました。
菱川夫婦は彼女への警戒を続け、調査をするようになります。
しかし、跡継ぎにこだわっていた義母はしびれを切らせてカヨを妾と祭り上げ、幾久子を離れに事実上幽閉しました。
そんな中、幾久子の妊娠が発覚しますが、陽彦との不貞が疑われる中ではそれを公表する事は愚策である為、秘密にする他ありません。
元々義母を窘めるシーンが何度もあった菱川家の老女中のすゑが離れにいる幾久子の世話をするようになります。
聡明な彼女は幾久子の妊娠を知り、跡継ぎを守る為に秀顕以外の幾久子の初めての本当に信用できる味方となってくれました。
これには幾久子が涙を流して彼女に感謝します。
すゑは幾久子を不安定な義母と策略を巡らせるカヨから守る為にこの事実を秀顕だけに伝えるという更なるアシストをしてくれました。
一方、不器用ながら堅実に幾久子とその腹の中にいる子供を守りたい秀顕は、妊娠を喜びながらも妊婦には厳しいその状況を黙認するしかありません。
捜査中に幾久子の日記を発見した彼は、彼女の筆跡が陽彦への文のものと明らかに異なる事実にたどり着き、真相にかなり近づきました。
物的な証拠品も手に入りゴール一歩手前までこぎつけた秀顕だったが、彼はカヨの罠に嵌られ、彼女と寝ていたかの状況で目覚めてしまい、それは家中に知られてしまいます。



彼は酩酊していて覚えていない様子でしたが、相手がカヨですし、彼は誠実な夫なので、罠に嵌められたとしか思えませんよね。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』ネタバレ16話~20話
秀顕はとんでもない状況を作られてしまい、仕方なくカヨを妾として迎える事になります。
カヨ本人は名門の妻になったおかげで享受出来る贅を貪り、好き勝手に生活を始めました。
彼女は秀顕の養子先の群馬で秀顕に一目惚れしており、彼と一緒になる為に上京し、幾久子の女中として働きながら機会をずっと伺っていたようです。
標的にしていた秀顕を自分が世話していた女に奪われたと逆恨みし、彼女は幾久子への妬みと秀顕への身勝手な思いで行動しつづけていました。
しかも過去には窃盗などもしていたようです。
秀顕が酔って記憶がないと思っていた例の夜ですが、なんとカヨは彼に睡眠薬を盛って眠らせ、服を脱がしてまでその状況を作っていたようです。



完全に性犯罪者ですので犯罪カウントは上がるばかりですね。
今世でもこうだと、もしかしたら前世で幾久子の子供が死産だったのって…
カヨは遂に妊娠を偽り始めて、本格的に幾久子が家を追い出されそうになる危機が訪れます。
全てを知った秀顕はお家と幾久子と子供と共に暮らせる未来を天秤にかけ愛する妻と子供を選び、夜逃げを計画しました。
自分の地位が脅かされると感じたカヨは奇しくも前世と同じ場所で身重の幾久子を突き落とそうとします。
今回は幾久子は秀顕に救われ、殺人未遂でカヨは検挙されました。
おそらく今までの悪事をした証拠も一緒に提出すれば彼女は出所できないレベルになりそうですが、菱川夫婦は温情を掛けたと言えるでしょう。
すべてが解決し、幾久子は跡継ぎを妊娠している事を公表して夫婦は無事に菱川家に凱旋します。
義母は家の未来が約束され、幾久子の味方に乗り換え関係は正常化しました。



これについても少し手ぬるいと感じますが、これがこの夫婦の判断であればと受け入れましょう。
跡継ぎの男の子は無事に生まれ、二人は幸せを手に入れます。
最後に秀顕は幾久子が人生二週目である事を知っている事を仄めかし、次こそは自分に相談するように願い、物語は閉幕しました。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』のネタバレ最終回結末!


本作の全話を紹介して来ましたが、本作はタイムスリップなどの難解になりやすい要素もある為、分かりにくい部分もあったかと思います。
本項では結末についての要点と、考察が必要な部分の解説をしましょう!
カヨの末路
カヨは妊婦に対しての殺人未遂で逮捕され、刑務所に入れられます。
最終的には天罰が下りますが、めちゃコミックにある感想ページでも、もっと厳しい罰が下っても良かったのではないかという感想が多いです。
彼女が反省すると願うばかりですが、あの恐ろしい執念を見せられては信用できないでしょう。
続編があれば、出所した彼女がまた暴れる事が予想できます。



本記事の著者としては出所したら、似た境遇の陽彦と結婚して再び菱川家にちょっかいを出してくるのではないかとヒヤヒヤします。
前世での幾久子に降りかかった不幸
幾久子の前世での大きな不幸は大きく分けて二つあります。
一つは子供の死産。
もう一つは階段から突き落とされた事件。
このどちらも前世のカヨが犯人なのではないでしょうか。
カヨは秀顕に薬を盛ってまで妾になっており、同じ事を前世でやっていても不思議ではありません。
そんな犯罪に使う薬学に詳しく、幾久子の女中として当時は信頼されていた彼女であれば、彼女が死産するように何かを盛る事は可能だと考えられます。
突き落とした事件に関しては証拠は少ないですが、同じ場所で今世で決行している事は、作劇的には前世でも彼女がそうしたと示唆しているのでしょう。



どの時間軸でもとにかく怖い人ですね。
秀顕は幾久子のタイムスリップについて知っているのか?
終盤で秀顕は直接的ではないが幾久子から前世についていずれ話してほしいと、彼女の状況について知っていそうなそぶりを見せました。
彼はどうやって彼女の転生について知ったのでしょうか。
彼はカヨについて捜査する中で幾久子の日記を読んでいます。
恐らく彼はこの日記の内容も全部読んでいるので、そこで彼女が人生二週目である事を知ったのでしょう。
もしかしたらそれだけでなく前世の情報もつかんでいた為、確信を持ってカヨを疑っていたのかもしれません。
秀顕は結果的には全てを知る事になりましたが、転生と言う信じ難い部分は置いておいても、幾久子本人から不安や悩みを相談されたかったの事は本作の要所で感じ取られます。



秀顕は古い時代の軍人らしく不器用ながら誠実で、そこが魅力ではないでしょうか。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』を読んでみた感想


前世でも、今世でもすれ違ってしまう菱川夫婦を最後まで見届けると、人によってかなり違う印象を受けると思います。
個人的には前世で夫の想いが分からなかったからすれ違っていたのに、タイムスリップの事は話さないにしても、現在の不安や疑念を彼に相談しなかった幾久子に少しモヤモヤする部分がありました。
しかし、物語を俯瞰してみてみるとこれは前世の秀顕の行動をトレースしているのです。
彼らは相手を守る為に相手に心を閉ざしていたとも解釈できます。
愛する者に全てを打ち明ける秀顕と彼を想って抱え込み続けた幾久子は前世の二人と関係性が逆になっているところが本作の美しい部分だと感じました。
後半の展開は急ですが、もしかしたら余力があれば再度突き落とされた時に三週目に突入する構想もあったのかもしれないと個人的には思いましたが、今回の結末が最善だったのではないかと思います。
天罰が弱いという意見が多い本作ですがカヨはともかく、義母に関しては周りからの視線がかなり厳しく、跡継ぎが欲しいと言う動きは同情できる部分が多いというのが個人的な感想です。
また、漫画の絵はかなり奇麗で、登場人物の表情もとてもよく表現されていました。
私も単行本が出る事があれば購入してまた読みたいと思う程です!



短いながら素敵な作品になっていますので、かなりオススメです。
まとめ


『転生の花嫁と隻腕の旦那さま~今世こそは授かります~』について全話を振り返るネタバレを紹介して来ましたが、かなり面白い作品ですよね!
幾久子と秀顕がカヨと義母の派閥と戦い、最終回結末では天罰を下す展開は王道ながらも見応えがあります。
カヨへの天罰が少し弱いと感じますが、そこは幾久子達の優しさなのでしょう。
全話ネタバレでは残念ながら紹介していませんが、秀顕と幾久子の愛情を感じられるシーンや、後半では協力者となるすゑの活躍など語り切れない魅力がありました。
最終回結末では菱川夫婦は子供も無事に生まれ幸せになれる事を念頭に置けば、安心して読む事が出来るのではないでしょうか。
『転生の花嫁と隻腕の旦那さま』は現在めちゃコミックで10話まで無料配信していますので、是非本編も読んでみてください。